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| 母に贈った「ほんまもん」のカーネーション |
小学三年生の「母の日」のことです。プレゼントのハンカチを買うと、おつりを握り締めて花屋さんへ向かいまた。去年までは、折り紙で作ったカーネーションでしたが、今年こそは本物のカーネーションを母に贈りたかったのす。 が、花屋に着いた途端、私は凍りつきました。カーネーションは想像以上に高く、花束どころか一本も買えません。オロオロしていると、ふと小っちゃいピンクのカーネーションが目の端に映りました。「あれなら買えるかも」私は全財産を見せて尋ねました。すると店員さんは「はい、どうぞ」とカーネーションを一本、手渡してくれたのです。 家に帰り、早速「今年はほんまもんのカーネーションやで。すごいやろ」と母に渡すと「ほんま、すごいなぁ」と母はニコニコ笑いました。が、しかし。後日、私は衝撃の事実を知ったのです。なんと、私の買った花はカーネーションではなかったのでした。母は、私を傷つけぬよう「カーネーションを貰ったフリ」をしていてくれたのです。 今でもカーネーションを見ると、あの時の母の優しさが胸に甘酸っぱく蘇るのでした。
佳子 さん