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| 曇天から晴天へ |
あれは私が小学校低学年の時のこと。 友達と一緒に、近所の空き地で花を摘んだ私は、意気揚々と家に帰った。 「お母さん、これ。母の日の花束だよ」 雑草がまじった花束を差し出した私を、母がキョトンとした顔をして見つめ返した。 「母の日の花束なら、花屋さんに行かなくちゃ。今から買いに行こう」 後ろから顔を覗かせた父に連れられて花屋に向かった。そこには、私が摘んできた花とは比べものにならないほどの色取り取りの花が並んでいた。 「ほら、あそこにあるカーネーションっていう花をプレゼントしなくちゃ」 得意げに指差す父を見て、私は分かってないなぁと思った。少ない小遣いでは、こんな立派な花を買えないから、友達と相談して、手近な花を利用して花束を作ったんじゃないの。そういう子供心を踏みにじられたようで、とても傷付いてもいた。 家に帰ると、母がさっきよりずっと嬉しそうな顔をして、父と私からカーネーションの花束を受け取った。なんだ、やっぱりお母さんも高い方がいいのかと、私は心底がっかりした。すると、母が私の頭をそっと撫でた。 「この花も綺麗で素敵だけど、さっきの花束も可愛くて嬉しかったよ。ありがとうね」 私の心は、その一言でさっと曇天から晴天に切り替った。
チャッカマン さん