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| 嫁いで始めて気付いた日 |
31歳で始めて独立してアパートを借りました。ただでさえ晩婚年齢な上、両親ー特に母親ーの心情は計り知れなく不安だったと推測できます。表面上の理由は仕事の為の引越でした。勿論、周囲が反対出来ないほどの激務を抱えた日々だったのですが、数ヶ月前にやっとできた恋人の存在が一番大きかったといえます。親元を離れて始めて気付く親心とでもいいましょうか、恋しさは以前の比ではありませんでしたが、涙をこらえ頑張りました。そんな生活も月日と共にようよう慣れてきてベランダに花を飾る余裕もできてきた頃、ふと母の事を真剣に考えました。子育てに追われ、着飾った姿の記憶もありません。その年の母の日に鉢いっぱいに咲いたサイネリアの花をプレゼントしました。同居してたら照れくさくってきっとできなかったことでしょう。母は静かにうれしさをかみしめているようでした。数日後、自宅を訪れると、花びらがぐしゃぐしゃで見るも無惨な有様。いったいどうしたのかと尋ねると、孫が花びらを次から次へ引きちぎったとの嘆き、でもそんなに怒ってはいない様子。母にとってはプレゼントも孫の仕業もどちらもうれしかった部類に入る出来事なのでしょう。
たんこんちん さん