昭和21年に、小学校入学の私の幼年時代は今のように、花屋さんに、きれいな花が、咲き乱れている時代ではありませんでした。道端に咲いている野の花や、大きなお屋敷の庭に咲いている花が身近に見られる花でした。 現在は94歳の高齢になっていますが、そのころの母は私が道端から採って来るどんな花でも、古い小さな竹細工の花瓶に生けてくれるのがうれしくて、花を摘んでは、いつも、一目散に家に持ってきたものでした。ある時は、大きなお屋敷の、庭に入り花泥棒までした自分を思い出します。今、目がみえなくなり、自分のことも解らなくなった母の心にあの頃のどんな花の匂いが残っているのでしょう?
あきちゃん さん